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島おもかげたって




ルリカケスがうたう 奄美(シマ)のMELODY(ムルディー)
奄美島唄・新民謡 ジャズアレンジ
「島おもかげたって」
ジャズカルテット「ルリカケス」
視聴  MP3で試聴できます。

1.奄美民謡:朝花節 視聴
2.奄美民謡:稲すり節
3.奄美民謡:黒だんど節
4.奄美民謡:行きゅんにゃ加那節 視聴
5.奄美民謡:よいすら節 視聴
6.渡久地政信:島のブルース
7.奄美民謡:永良部の子守唄
8.竹山あつのぶ:与論島慕情
9.村田実夫:想い出の喜界島
10. 奄美民謡:徳の島の子守唄
11. 村田実夫:農村小唄
12. 岩崎文紀(2003.3):ブルーノート・ララバイ
13. 伊地知元子(99.4):古仁屋サタデー百夜のアゲー
14. 三界稔:古仁屋高校校歌〜月の白浜
15. 奄美民謡(P.Desmond):Take Five in 六調 視聴
16. 奄美民謡:糸繰り節

       
 アレンジ:伊地知 元子、岩崎 文紀
ジャズカルテット「ルリカケス」
・岩崎文紀(アルトSax)
・森浩記(Dr) (2,6〜16)
・松田巧(Eb) (2〜11,15)
・豊田昌広(Br)(3,4,5)
・豊国淳子(Cb)(12,13,14,16)
・伊地知元子(シンセサイザー/P)

ゲスト/
・ジョイ洋子(Vo)(3,4,5)
・森直弘(Vo) (15)
・岡野弘明(シャミセン)(15)

人生の途中で、意外にも、島に住むようになった。
八方を海に囲まれた狭いエリアには、限られた人とモノしかなく、一番の演奏仲間を、転
勤で送り出してしまった後は、島で新しい仲間と組むために、自身の新分野を開拓すること
を余儀なくされた。かくして私は、クラシック畑よりジャズ畑へ、垣根越えを試みる者となった。
海のむこうの「内地」には、何でもありそうに見え、ここ私の島には、何もないように見えた
けれど、この島でしか出会うこともなかったであろう「新しいこと」を自分のものとして直視し、
再度、島でほんとうに生きることを決めたとき、島の歯痒さやるせなさを昇華して、島を誇り
にしてゆく島人の島心は、私の血肉となった。これで私の血は、後天的島人になった。
 そのとき島唄は、どこか知らない所の珍しい文化ではなくて、耳の外から私をかきたてる
ものでもなくて、私の体から、沸くようにして燃え出してくる、私の血の音だった。足を踏み入
れてはならない聖域だったはずの島唄。作曲家がアレンジなどして、侵したり汚したりできな
八大切なものであったはずの島唄。今これは、聖域などではなく、私の唄。私が最も私に
合った言語としての「ジャズ語」で、私の唄を奏でることに、何の不自然があろうか。島唄ア
ノンジへの躊躇は消えた。
 ミスマッチとも見えるこのことを、実は時を同じくして、奄美ジャズマンのサックス氏も始め
ていた。あるライブ、彼は、愛するスタンダード「テイク・ファイブ」の最後のアドリブ部分に、
なんと、六調太鼓とサンシシを参加させた。「ジャズの世界は『なんでもあり』なんだ」と。
 ピアノのツーコードでスイングする五拍子を切る私の中で、あるウタシャの言葉と、それが
重なった。「島唄には元唄なんてないんだ。ホントの唄もないし、ウソの唄もない」。六調太
鼓とサンシンで、あしたの朝まで続いていきそうなサックスアドリブが踊って踊っていた。
                                          (伊地知 元子)
2001.5.8 沖縄タイムス「唐獅子」より

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制作 JILA(国際芸術連盟)