挨拶た銭金や要りゃん
明るく心のこもった挨拶を交わすのに、お金はいらない。
お互いに、出会った方々に心のこもった挨拶や言葉を交わし、
限りある人生を、明るく楽しく生きたいものである。
一足ね遅れや十足の遅れ
今やるべきこと、今できることは、すぐに実行した方が良い。
ちょっと遅れてしまうと、なかなか取り返しが大変である。
何時がでぃむ有んちぃ思うな親と金、無むち思な運と災難
親や祖父母が元気なうちは、いつまでも元気でいられると思い、
泣くなって初めて親や祖父母の有り難さがわかるものである。
その点、「親思う心に勝る親心」と歌った吉田松蔭は偉大である。
一能や持ちゅうり
人間にはそれぞれ、他人にはまねられない能力やとりえが、必ず
あるものである。我々はそれを認め合い出し合って、協力して生
きていかなければならない。
無んくせや言ちん 有んくせや言いな
無い癖は言っても、有る癖を言う者ではない。
人の短所を言ってはいけない。
針や呑まらん
針は小さいけれども、飲み込めるものではない。
同様に人間も、体は小さくても却えって根性があり、大人物になる
場合が多い。
空腹どぅ 御馳走
空腹であれば、何でもおいしいものである。
よく働いて腹を空かし、何でも好き嫌いなく食べられる人は、
心身共に健康である。
熱さや冷すぃ 妬さや堪りぃ
血が頭に上り逆上したら、しばらく時間をおいて冷静に考えよ。
妬ましく憎く思われるときは、堪えることが大切である。
嘘や通らん 嘘しいや通ららん
嘘やごまかしは、いつかはばれる。嘘やごまかしでは、世の中は
渡れない。反対に、「誠は天の道なり」と言われる。
遠さん親類ゆんま 近さん他人
遠くにいる親戚よりも、近くにいる他人を大切にしなければならない。
いざという時は、いろいろとお世話になるし、毎日挨拶を交わしながら、
協力して楽しく暮らしていけるから。
握りゅん手なんにゃ 物な持たらん
手のひらは、広げたときに色々な物を載せることができるのである。
同様にいろいろなことを教えても、受け入れる気が無ければどうにもならない。
勉強も同じで、本人にやる気がなければ伸びない。
去ちゅん鳥や 後や濁さん
渡り鳥が立ち去る時は、後が見苦しくないように、綺麗にして
飛び去っていく。私たちも、遠足や旅行その他で立ち去る時は、
「来た時よりも美しく」して去りたいものである。
後悔と弔れや後はら
弔いは、人が亡くなった後にする。同様に、後悔もまたことが済んだ後に
するものである。しかしその時は、どうにもならない。私たちはいつ死ぬ
か、誰も分からない。だから今やるべきことに全力を尽くし、死期に臨ん
で後悔しないで済むように生き、死んでいきたい。
火起ぬ穴はら天見んな
火起しのような穴から天を見るのじゃなくて、何事も大きな目や心で
物事を見たり考えたりしなさい。
玉黄金 親や産ちど産さりゅん 心魂入れてぃ産しやならん
親は生んだだけで、知恵までつけて子供を産むことはできない。
知恵や学問は、一人一人の子供が、自分自身の努力で体得しな
ければならない。
人や人の中 田や田ん中
田は、田んぼがたくさんある中にあった方が、害虫や害鳥から免れて
収穫が良い。同じように人間も、多くの人の中で支え合いもまれ合っ
て立派な人間に成長するものである。
心持ちなれや芭蕉ね葉ぬ広さ 松の葉の狭さん心持つな
心の持ち方は、芭蕉の葉のように広く持て。
松の葉のように狭い心は持つな。
童と猫や人ね心見ゅり
猫と子供は、人の心の底を見抜くから、親切にしなければならない。
有ん中なんてぃ倹約すぃりぃ
お金も物も、あるうちに節約しなければならない。みんななくなって
しまってからでは、どうにもならない。特に、電灯やテレビ、水道等
の無駄使いは、みんなで注意したい。
茄子の花とぅ親ぬ意見や 千なん一つぬ無駄やねん
茄子は咲くだけ必ず実るのだ。親の言われる事も決して間違いないから
素直に受け止めなさい。
親孝行や生きちゅん中すりぃ
親孝行は親が死んでからは出来ないので、後悔しないように
今しなさい。
家慣れどぅ外慣れ
家庭内での生活習慣が、そのまま外に出ても現れるものである。
靴の並べ方その他の整理整頓、あいさつ、言葉遣い等など。
若さん時ぬ難儀や 買てぃ為り
若いときの難儀苦労は、将来の大成のためにみんな良い経験であり、
修養である。自ら進んでいやな仕事を引き受け、やるようになれば
本物である。
服装の乱れや 心の乱れ
服装が乱れているのは、心が乱れている証拠である。
「衣(服装)は意(心)を表す」とも言われる。その場にふさわしい
服装や身なりに気を付けなければならない。
死じゃんてん 他人ぬ物はっちゃ手出すな
たとえ死ぬようなことがあっても、他人のものに手を出してはならない。
愛しゃん子にゃ大やちゅ
可愛い子ほど厳しいしつけをしなさい。
急がりゅん蟹な 穴はっちゃ入りきりゃむ
いつも機敏なカニも、急ぐと自分の穴を間違えてしまう。落ち着いて行動
することの大切さを教えたものである。特に、自転車に乗っている時の急
な飛び出しや、歩行の際の左右の確認など安全には充分気をつけたい。
吐ちゃん言葉や 飲み込みやならん
一度口に出した言葉は、訂正することができない。
欲ぬ先きゃ夜闇
欲が過ぎるとよいことはない。程々にしなさい。
為ろうち思めば 為ららん物な無ん
「・・・をしよう。」と思って、やれないことはない。要は何でも、
本当にやる気があるかないかが問題である。
夜道や兄姉先なれ
夜道を歩く時は、ハブの危険があるので、年上が見守って先頭になって
歩きなさい。
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